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オーナー企業、同族企業はやばい?メリットとデメリットを経験者が語る

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日本全体の企業のうち90%以上はオーナー企業ということはご存知ですか?たくさんの中小企業があるのでこういった割合になるようですが、オーナー企業にはメリットとデメリットが存在します。入社する場合はある程度の覚悟を持って入社することも大切です。

中小、中堅のオーナー企業、同族企業を経験した私が、メリットデメリットについてご紹介します。

そもそもオーナー企業、同族企業とは?

オーナー企業とは、ごく少数の個人が大部分〜全ての株式の所有者で、経営の権利を持っている企業のことを指します。

ただ一般的には、家族や親族が会社を支配・経営する企業のことを言う人も多く、同族経営、ファミリー企業とも呼ばれます。

2018年版 中小企業白書によると、中小企業のうちオーナー企業の割合は約72%とのことで、オーナー企業と同族企業はほとんど同じような意味で使われることも多いようです。

Wikipediaでは、次のように表現されています。

日本法人税法では、上位3株主の持ち株比率をあわせて50%を超える会社を「同族会社」と定義する。この定義によれば、株式の需要が低い中小企業の多くや、買収防衛策として経営者が株式の大部を確保している一部大企業も同族会社に該当することになる。

引用:「同族経営」Wikipedia  

オーナー企業と同族企業厳密には違いますが、ここでは「家族や親族が社長や役員になる企業」の意味で説明したいと思います。

オーナー企業、同族企業のメリット

家族や親族がオーナーを務める企業のメリットとは何でしょうか?そこには、家族・親族だからこその傾向があります。

経営の意識が高い

オーナー企業の経営者は「会社をなんとかしなくては!」という経営意識が高いです。創業者はもちろん意識が高くないと務まりませんが、後継者もそのプレッシャーを引き継ぎます。

そのため経営が安定していることが多いです。私は投資家でもあるため様々な企業情報を入手するのですが、オーナー企業の方が経営が安定していたり、利益を多く得ているというのは多く見られる例です。

逆に、創業家と関係のないサラリーマンが社長に上り詰めたような会社の場合「自分の任期はこのくらいだから、この程度で良いだろう」というような考えのこともあったようです。

もっとも、アフターコロナはこのような考えでは上場企業といえ経営が上手くいかなくなってきています。東京証券取引所や株主、世界中の投資家から圧力が強くなっているためです。

ちなみにトヨタ自動車を始めとする”トヨタ系列”も、超有名なオーナー企業です。

何事も意思決定が早い

オーナー企業は、社長や役員の力が強く、意思決定のスピードが早いことが多いです。

どんどん新しいことを取り入れて、スピード感あるトライ&エラーを繰り返す。そして市場で躍進する場合も多いのです。

サラリーマン社長がいる大手企業だと、令和になっても「ハンコラリー(色んな人の判子をもらう)」と揶揄されるような複雑な意思決定フローがあったりするので、何を決めるのにも時間がかかる…というのは良くある話。

 

同族企業には安定志向な会社も意外と多い

意思決定の早さと少し矛盾しますが、安定を望むオーナー企業もあります。とくに後継者が社長になった企業に、そのような傾向が多いです。

安定を望むオーナー社長は「食いっぱぐれないやり方」や「ニッチな攻め方」を知っています。そのため、あまり攻めた経営をしなくても安定するのです。

私がかつて勤めていたオーナー企業も安定思考でした。ニッチな製品で各国のシェアトップを得る。

ただしこれはデメリットにもなり得ます。変化に着いていけなくなると、体制が崩れるのもまた早いのです。

オーナー企業、同族企業のデメリット

オーナー企業はデメリットの方が取り沙汰されることが多い。そして、メリットがデメリットであることも多いのです。

社長交代で風土がガラッと変わる

オーナー企業は社長の一存で風土がガラッと変わってしまうことも。

これはオーナー企業でなくてもあり得ることですが、サラリーマン社長の場合は風土まで変わるのは中々少ないように思います。

私の友人の話ですが、友人は以前中小のオーナー企業に勤めていました。勤めた当初は残業は多くても収入も安定しており、なんとか辞めずに続けていました。

しかし社長が息子にバトンタッチした途端、ボーナスは出なくなり、サービス残業が当たり前になっていったそうです。

当然社員はどんどん減り、その友人も転職しました。そのくらい、あっと言うまに「違う会社」に変わってしまうことも。

最悪の場合、社長交代によって一気に倒産ということもありますので要注意。

オーナーの言うことは絶対!?

社長、役員といった親族の力が強すぎて、社員が口答えできない会社も多いです。

私が勤めたことのある中堅企業もそうでした。一見すると穏やかな社風の会社ですが、上層部に口答えした社員はみんな飛ばされたり、降格させられます。

意思決定が早くて強い分、オーナーに逆らえないという風土に居づらいと感じる人も少なくありません。

大企業の場合はそもそも社員の声がトップに届きにくいため、一般社員はあまり気にならないかもしれません。

ただ結局は、オーナー社長がなんだろうが、”人間である”ということです。

親族以外の評価が低い、社長になれない

オーナー企業はやはり親族中心。私の知っている中堅企業では、社員の評価制度がS~Dランクで設定されています。

しかしSランクを取れるのは親族のみ。それから、親族以外が役員、社長になれるのはまれです。

中小、中堅のオーナー企業に入ったら、社長になるのは非常に困難なことが多いです。

ちなみに・・・実は私の父も中小企業の経営者ですが「親族以外に経営者は譲りたくない」と言ってたりします・・・

更には、その実家の従業員から私が掛けられた言葉。

「どこの誰かわからない人の下では働きたくない。実家に戻って(社長になって)くれないか?」

M&Aなどで、よく知らない人が社長になってしまうのは嫌だ、という気持ちは私にもわかります。

オーナー社長であることの信頼感、物語(ナラティブ)の継承といった面でも、他人が思っている以上にオーナー企業の難しさがあるのかもしれません。

ただし、上場企業でオーナー企業の場合は、親族以外の評価が低いなんてことは基本的に少ないでしょう(絶対、とは言えませんが)

なぜなら評価基準が明確であり、同族以外からの評価、株主からの声も強い傾向があるためです。

やっぱりオーナー企業はやめとけ!?企業規模によっても傾向がある

特に中小企業のオーナー企業は避けたほうがいい…なんて人も中にはいるかもしれません。ただしそれは日本の中小企業のオーナー企業比率を考えると、少し難しいかもしれません。

そしてオーナー企業といっても、中小から大企業まで様々です。一概には言えませんが、それぞれ傾向があります。

中小規模のオーナー企業

規模が小さければ小さいほど、社長(オーナー)と社員の距離が近くなります。

良い企業なら社員も家族同然で付き合える。悪い企業では社長から直々に激しく叱られたり仲間はずれにされる。

それから社長自らがバリバリ働く企業も多いです。しかしマニュアルを残していなかったり後継者対策をしていない場合も多く、社長が突然倒れたら終わり、という企業も未だ多くあるのが日本の現実のようです。

これは実際に私の親族の会社や、かつて付き合っていた下請け企業に多く見られた傾向。

少人数で効率よく回っている中小企業は優良ですが、常に全員がピリピリと動いている中小企業は仕事するのも大変です。

ただし例は海外になりますが、Amazon等のような世界的な企業でも最初は数人でスタートした企業。当然ですが創業者の代はオーナー企業です。

そのような創業者と共に夢を追う、バリバリ仕事ができる、というのはメリットではないでしょうか。

福利厚生については、規模の大きい企業と比べて見劣りするパターンが多いです。家賃補助、各種手当など、どうしてもお金がある企業の方が有利になるのは仕方ないことかもしれません。

中堅のオーナー企業

中堅企業の定義は少し曖昧ですが、ここでは社員100~1,000人、資本金1億~10億円の企業とします。

中堅企業になると社員数も多くなり、社長直々に命令ができる社員の割合も少なくなります。それから部門数も多くなり、それぞれの部門を管理する部長など役職者も増えます。

そうなると、会社の風土よりも部門の風土の方が強くなる傾向もあります。その点はある種大企業に近いと思います。

そのため穏やかな部門もあり、体育会系な部門も存在したりします。私がかつて働いていた企業もこのパターン。

中堅企業でも、業績が良ければボーナスが大企業並かそれ以上に弾むことも少なくありません。

むしろ規模がそこそこな分、社員に還元しやすいのでしょう。私が勤めていた中堅企業は、ボーナスが7ヶ月分近くあった時期もあります。

しかしながら、オーナー企業や同族企業である限り、社長の力が強い傾向は変わりません。左遷を恐れて目立つ行動を避ける上司も多い印象です。

また、こちらも大企業と比べると福利厚生は見劣りする傾向かと思います。私の経験では、中堅企業は給与水準は大企業並でも、フレックス勤務ができなかったり、スポーツジムとか自動車保険の割引のような補助も少ない印象でした。もちろん企業によるのであくまで傾向ですが。

大規模のオーナー企業

大企業になってくると、さすがに数千~数十万の社員をとてもじゃないけど管理しきれません。

有名になって社会的役割が大きくなればなるほど、悪評が広がるのもまた早い。

そのためオーナー企業、同族企業であっても、社員のこともより考えた経営をする企業が多くなります。コンプライアンス(いわゆる法令遵守)も軽視できません。

有名なところではトヨタ自動車、イオン、ガンホーなどもオーナー企業。googleもAmazonもFacebookもオーナー企業です。

ここまで大規模な企業は、社員の教育や厚生制度、働きやすさにもしっかり力を入れます。そのため大企業ならオーナー企業だから悪い、ということは少ないでしょう。

むしろ前述したようにサラリーマンが成り上がって社長になった企業の方が、成長しないことも多いです。サラリーマン社長の場合任期も短く、目先の結果しか考えなくなる場合が多いからです。

反面オーナー企業の社長は、中長期のビジョンがしっかりしている場合が多いです。そして後継者となるべき親族は、経営を学んでいることも多く、経営手腕が優れている。

Facebookのマーク・ザッカーバーグのように大学を中退して創業した人もいますが、センスがあればそれも関係ないでしょう。

世界のトップ企業にオーナー企業が多いのは、そういった面から来ているのではないでしょうか。

ちなみにオーナー企業に限らずですが、大企業のメリットは福利厚生が充実していること。

「こんなサービス、補助もあるの?」

ってくらい充実してたりします。専用ジムがあったり、プールがあったり、自動車保険の団体割がすごかったり、近隣のお店で割引が効いたり、住宅ローン金利が優遇されたり…

中小・中堅企業と大企業の一番の違いは何?と聞かれたら「福利厚生!」と答えたいくらいメリットがあります。

オーナー企業、同族企業に入社・転職するときの心構え

オーナー企業に入社、転職するときは、ある程度の覚悟は持っていた方がいいかもしれません。

企業規模が小さいオーナー企業ほど、社長から直接命令されたり、社長の一存で会社の雰囲気や忙しさが変わってしまう可能性が高いです。

また、オーナーいち族に口答えすることで、飛ばされたり、ボーナスを減らされたりということが普通にあります。

そのような環境に耐えられないと思う人は、しっかりと事前情報を集めたり、できるだけ大企業を狙うことをおすすめします。

最近は「Open Work」などの口コミサイトで、かなりリアルな社員の口コミを拾うことができますから、使わない手はありません。

また、転職エージェントに相談すると、企業の詳しい情報を教えてくれますので、転職を考える場合は絶対に利用すべきだと思います。

もちろん規模の小さいオーナー企業でも優良な企業はあります。

いずれにしても、事前調査は大切ですね。

事前調査、転職の検討はこちらの記事を参考にしてください。

 

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オーナー企業=悪ではない。特徴を理解することが大切

オーナー企業は必ずしも悪ではなく、むしろ世界的にはオーナー企業が活躍していることがわかりました。

特徴を理解して、自分に合わなそうならそういった企業には入社しなければいいのです。

いずれにしても、就職・転職の際は事前の情報収集がとても大切。

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